『ストレート』久奈様への寄贈品
(SPゲスト:緋勇 龍麻)


この日跡部は、珍しく部活に来ていない日吉の事が気になり、後輩である鳳に
「おい鳳、日吉はどうした?」
聞くと鳳は
「さぁ、俺は何も聞いてませんけど・・・珍しいですね」
答えた鳳に、眉間にシワをよせつつ
「ぁあ?何が珍しいんだよ?」
跡部が聞き返す。
「えっ!?…ぁ、あの、真面目な日吉がサボりなんて珍しいなぁって思ったん・・・です・・・」
少々怯え気味に答えた鳳の態度は無視し
「ぁあ、確かに珍しいな・・・おい、忍足!」
運良く(悪く?)近くを通った忍足を呼び付けて
「跡部、なんか用なん?」
「ちょっとヤボ用が出来たから少し部活を抜ける・・・監督が来たら伝えとけよ、じゃあな」
忍足の返事を待たずに行ってしまう。
「はぁ?…って、ちょぉ待ちぃって・・・行ってもーた・・・なんやアイツ」
「・・・さぁ?・・・行っちゃいましたね、跡部部長…樺地を置いて・・・」
辺りを見回し鳳が言う。そして、同じように見回し『何か』に気付いたように
「・・・・・・・・・なんや、そーいう事か・・・」
にっ、と笑いながら言う忍足に鳳は
「?」
頭に?を浮かべていた。
「まぁ、子供はわからんでもええ事やvさぁて、練習せなな!」
鳳の頭を撫でて、楽しそうに忍足はダブルスパートナーの向日と練習を始めた。
「おいっ、長太郎!何ボサっとしてやがんだ、早く来い!」
「っ!?はいっ!」
まだ頭に?を浮かべていたが、宍戸に呼ばれ慌てて鳳も練習を始めた。

跡部は自分が去った後に、こんな会話がされてるとは思ってないだろう。





日吉の家の近くに来た跡部は、家の前で見たことのない人物と話してる日吉をみつけ、幸い(?)日吉は背を向けた状態で話をしている為、何を話してるのか隠れて聞いてみる事にした。すると
「あの・・・お忙しいのにすいませんでした」
そう言ってお辞儀をし
「・・・貴方に悩みを聞いてもらって少し気持ちが楽になりました」
「それなら良かった」
跡部は、日吉と話してる人物が微笑むのを見て、あまりの綺麗さにドキッとした。
「いつでも時間が空いていれば悩みくらいなら聞くよ?若くん」
「ぁ…あの、ありがとうございます・・・龍麻さん/////」
どうやら、さすがの日吉ですら『魅惑の微笑み』に照れているらしい・・・跡部も納得はしたものの、『何か』が面白くないようで、イラついてる自分に気付き、くるっと半回転し
(何で俺はこんなにイラついてんだ?これじゃまるで・・・・・・いや・・・そんな事・・・)
と、自問自答している跡部は、龍麻が自分を視界に捉えて『何か』を思いついたように少し微笑んだ事に気付かなかった。


龍麻は、跡部をみつけて
(ん?彼は・・・・・・なるほど・・・そーいう事なら・・・・・)
とある策を考えつき、小声で
若くん、今から抱き締めるから本気で抵抗してくれ
微笑み付きで言われた内容に、日吉は
え?・・・はい、わかりました
疑問に持ちつつも了承した。これを確認し龍麻は、日吉に抱きつき耳元で
すまないが、嫌がってくれ
と、囁いた。
「?ですがわかりました、では・・・・・・・・ちょっ!?、いきなり何するんですか!?離して下さい!
日吉は、龍麻に言われた通りに抵抗した。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっ!?、いきなり何するんですか!?離して下さい!
「っ!?」
跡部は、突然聞こえてきた日吉の困惑したような・戸惑ったような声に驚き、日吉たちの方を見た。すると、龍麻に抱きつかれ離れようとしてる日吉の姿が見えた。
その状況を見た瞬間跡部は・・・考えるより先に走り出し
てめぇ、日吉に何しやがる!!
「っ・・・」
跡部は、龍麻を殴り飛ばし怒鳴っていた。

龍麻は殴られたのであろう左の頬を押さえつつも、痛そうにはしておらず、どちらかといえば平然としていて、まるで自分の思い通りに跡部が行動したのが嬉しいとでもいうように、跡部たちには見えないようにうつむいて笑っていた。

跡部に殴り飛ばされて、頬を押さえて俯いている龍麻を見て
「っ!?龍麻さん!!」
「待て、日吉!」
日吉は驚いて駆け寄ろうとしたが、跡部に腕をつかまれて出来なかった。
腕をつかんでいる跡部を見て、少し冷静さを取り戻した日吉は言い辛そうにしながらも、普段通りの言い方で言う。
「・・・跡部さん、手・・・離してくれませんか?」
「・・・ぁ、ぁあ、悪ぃ・・・」
日吉に言われバツが悪そうな顔をしつつ、日吉の腕から手を離した。そして、日吉は跡部の手が離れたのを確認してから龍麻に問う。
「龍麻さん、大丈夫ですか?」
「・・・・・・・」
「龍麻さん?」
自分の問いに対して、いまだにうつむいて無言なままだった龍麻に不安を感じて、もう1度問いかけた。
顔を上げた龍麻は
「不安にさせておいて悪いんだけど、若くん・・・こういう状況の場合は、まず俺の事を心配する前に言う事があるあるんじゃないか?」
笑みを浮かべたまま日吉を諭し、跡部を指差した。
「?言う事・・・ですか?・・・・・・ぁっ!?」
龍麻に諭され、自分が跡部に一応ではあるが、助けてもらった事に対しての御礼を言っていない事に気付いた。

跡部の方へと向き直し
「ぁの・・・跡部さん・・・」
「・・・何だ?・・・」
ほったらかしにされていたのが気に入らないのか、不機嫌そうな顔のまま日吉を見る。
「っ!?」
跡部の不機嫌な顔に一瞬怯みつつも
「ぇっと・・・先程は、ありがとうございました!」
ぺこっとお辞儀をした。
「っ/////・・・別に・・・」
それを見た跡部は、顔を赤くし日吉から顔を逸らしつつ答える。すると・・・
「ふっ、青春だなぁ・・・♪」
龍麻の暢気で楽しんでる声が、2人に聞こえた。
「楽しそうですね、龍麻さん?」
「ぁあ?」
それに対し、慣れているのか普通に言い返す日吉と、「馬鹿にしてんのか?」とでも言うような反応を跡部は見せ、跡部達が龍麻を見てみると、
「ぁ・・・くっくく・・・くっくくく・・・ふっ」
その反応を見て、声を殺し損ねながらウケている龍麻が目に入った。
「何なんだってんだよ、ぁあ?」
ずっとウケたままの龍麻に、速攻でキレた跡部に、
「・・・いや・・・若いなぁと思って・・・」
笑うのをやめ、さらりと返す龍麻。
「てめぇも十分若いだろうが!」
「んー・・・もう学生じゃないんだけど?」
「はぁ?!・・・いくつなんだ?」
「ん?・・・―「跡部さん!」歳だよ」
跡部の問いに、暢気に答えている龍麻の言葉を遮るように日吉が跡部を呼ぶ。
「ちっ、肝心の年齢が聞こえなかったぜ・・・で?日吉なんだよ?」
「跡部部長、自己紹介もしていないのに、相手の年を聞くなんて失礼なんじゃないですか?」
「・・・確かに自己紹介はまだしてないな・・・」
「・・・跡部さん、こちらは緋勇龍麻さん、俺の最終目標の人です」
「ぇっと、初めまして・・・緋色の緋に勇気の勇で緋勇(ひゆう)難しい方の龍と絹とかの布地の麻(あさ)と書いて龍麻(たつま)、1月1日生まれ・・・よろしく」
日吉の紹介され淡々としゃべってたかと思うと、最後の「よろしく」の言葉と同時に微笑む。
「龍麻さん、こちらは氷帝男子テニス部部長の跡部景吾さん、現在の下克上相手です」
「・・・よろしく」
「?・・・ぁ」
不機嫌そうな顔であいさつする跡部を、不思議そうな顔をして見ていたが何かを思い出したように声を上げた。
「?どうかしたんですか?」
そんな龍麻に日吉が問う。
「ん?ぁあ・・・君達、部活行かなくていいのか?」
「え?・・・あっ!?・・・急いで支度して来ます!」
そう言うと、日吉は用意しに家の中へ入って行った。

「・・・ねぇ跡部くん、若くんにはっきりと気持ち言わないと気付かないよ?あの子は向けられる好意には鈍いから」
「っ・・・」
「隠してもダメだ、俺には誰も嘘をつけないから・・・」
「・・・はぁ・・・いつ気付いた?」
にっこりと微笑まれて、跡部は言い訳するのをやめた。
「ん?いつって・・・目を見てわかったよ?それにヤラセの若くんの嫌がる声に反応して俺を殴ったし・・・最低限でしか当たってないから痛くなかったけどね」
「そんなにわかり易いか?」
「いや、余程感が鋭い奴以外は気付かない」
「・・・そうか・・・」
龍麻の返答に安心したような顔をしてる跡部に、腕時計を見て
「さぁてと、もうそろそろタイムリミットだ・・・」
「タイムリミットだと?」
「そう、タイムリミット・・・こー見えても忙しいんだ・・・・・・跡部くん、若くんは弟みたいなものなんだ大切にしてやって?・・・それじゃぁな、頑張れよ!」
にっこりと微笑んで龍麻は急ぐようにして去ってしまった。
「・・・何だってんだ、まったく・・・しゃーねぇ、ストレートでいくか・・・」

「すいません、遅くなりました・・・ん?跡部さん、龍麻さんは?」
「部活行くぞ・・・ぁあ、タイムリミットだって言って急いでいっちまったぜ?」
そう言って跡部は歩き出す。
「そうですか・・・忙しい人ですからね」
跡部について日吉も歩き出す。
「・・・本人もそう言ってたな・・・・・・おい日吉・・・部活に行く前に、お前に言っとく事がある!」
「は?・・・何ですか?」
跡部の勢いに押されつつも、律儀に返事をする所が日吉らしさだろう。
「・・・俺は、お前を普通の後輩だとは思ってない」
その言葉を聞いて日吉は立ち止まり、つられて跡部も立ち止まる。
「どういう意味ですか?」
睨むようにして跡部に問う。
「はぁ、勘違いすんじゃねーよ・・・ちゃんと最後まで聞きやがれ」
ため息をつき、日吉を諭す。
「・・・わかりました。聞きましょう・・・」
大人しく従い睨むのをやめる。
「それでいい・・・・・・俺は、日吉・・・お前を他の後輩とは違う、それ以上の存在だと思ってる」
「それって・・・どういう意味ですか?」
どうやら日吉はまだ気付かないらしい。
「つまりだ・・・俺はお前が好きなんだよ・・・あの緋勇って男にも渡したくねぇくらいにな」
「そうですか・・・・・・・・え!?」
「何だよ、その驚き方は」
あまりの自分らしくなさに照れているらしい跡部の言葉はいつもの覇気がない。そんな跡部を見つめ、
「・・・・・・俺も・・・跡部さんが好きですよ?それに、龍麻さんにはただこの『跡部さんへの気持ち』をどうすればいいのか相談しただけですし・・・」
「そうなのか?」
「ぇえ、そうです・・・・・・龍麻さんは人の心の中にある『闇』や『傷』『悩み』を照らし癒すんです。本人は気付いてませんがね」
「・・・不思議な男だな」
「自分の事よりも他人の事を優先するような人ですから・・・尊敬してます」
「・・・俺を尊敬してないのか?」
「尊敬してますが・・・・・・そのぉ・・・跡部さんの場合には、好きという気持ちの方が勝ってしまうので・・・」
どうやら照れたらしく、最後まで聞き取れない。
「ですが、下克上は別です。覚悟していて下さい」
にっ、と笑い日吉は歩き出す。
「ぁん?・・・くくっ、精々頑張るんだな」
同じように、にっ、と不敵に笑い日吉の後に続く。



END








あとがき
オイラの初小説が寄贈品とは・・・(汗)
久奈様、お待たせしといてこんなしょぼい文で、すいませんm(__)m
龍麻が大好きですv(龍麻馬鹿です!)
こんなんで良かったら、もらって下さい!(返品可能ですが書き直しは不可能です/泣)

下におまけがあります。

















                 オマケ



跡部と日吉が急いで部活にでると、榊がすでに来ていた。
「「すいません、遅れました!」」
榊に声をかけ遅刻した罰を受けてから参加しようと思っていた。
「やっと来たな、お咎めは無しだ。その分頑張れよ」
「「・・・っ!?・・・」」
予想外の笑顔と声が聞こえ2人とも絶句した。
「よほど驚いてるようだな、固まっている」
「そりゃ、内緒にしたままココに来ましたから」
そう、榊の陰に隠れて見えてなかったが、龍麻がいたのだ。
驚かせた本人は嬉しそうに笑っている。
「「何でココにいるんだ」ですか?」
見事、跡部と日吉の声がハモった。
「すごいすごい」
ハモった2人を見て龍麻は喜んでいる。
「彼には期間限定のコーチとして今週は氷帝に来てもらった・・・・・・黙ってた分、緋勇くんが罰を受ける。その為、今回に限りお前達には罰はない・・・跡部・日吉、行ってよし!」
ビシっと決められ、跡部と日吉は渋々練習に加わった。

「よし、ガンガン若くんを鍛えるぞ・・・跡部くんが在学中に勝てるようにしてあげたいな」
どうやら、龍麻はやる気満々らしい。

・・・・・・・・・龍麻がいる間、日吉が龍麻にいつでもべったりだった為、跡部は日吉と2人きりにはなれなかったそうです。


跡部が微妙に不幸なおわりv

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